Column
SDGsは、世界のさまざまな問題を解決するための取り組みです。すべての人が健康に生きるために、地球の環境を守るためにしなければならないことがたくさんあります。今回はSDGsが掲げる17の項目の内の一つ、「すべての人に健康と福祉を」について紹介します。
「健康」とは、病気や怪我をしていないことではありません。世界保健機構では「健康」を心身ともに、さらに社会的にも満たされていることを指します。
予防接種やワクチンの接種を始め、世界ではこの健康を守るための最低限の医療サービスを受けられない人たちがたくさんいます。健康を維持できなければ生きていくことはできず、大人になる前に死んでしまう子どもの数も減らせません。
すべての人を健康にするには、適切な医療サービスを平等に受けられる環境を作ることが大切です。
SDGsではすべての人に健康と福祉を与えるための目標を9つ設定しています。その内容を一つずつ詳しく見ていきましょう。
1.2030年までに妊婦の死亡率を削減する
妊娠、出産は女性の命を左右します。日本では当たり前のように適切に対応するだけのサービスや情報がありますが、世界全体が同じというわけではありません。SDGsでは、2030年までに妊娠、出産時の死亡率を出生10万人につき70人未満にすることを目標にしています。
2.2030年までに新生児から5歳未満の死亡をなくす
生まれてきても適切な対応をされず死亡してしまう新生児は多いです。5歳まで生きられる子どもの数も依然として少ないままです。2030年までにそのような子どもの死亡をなくすために、病気の予防に取り組みます。
3.2030年までに伝染病をなくす
エイズ、マラリア、結核などの伝染病で命を落とす人をなくします。感染症の治療と予防についても尽力していきます。
4.2030年までに若年死亡率を減少させる
子どもが教育を受けることで、若者が働くことで国が豊かになります。国を、ひいては世界を豊かにするために、2030年までに若年死亡率を3分の1にまで現象させることを目指します。
5.薬物やアルコールの乱用を防ぐ
薬物、アルコールへの依存による死亡率を下げるため、これらを乱用することを防止します。また、依存性患者に対する適切な治療もおこないます。
6.交通事故による死亡を減らす
2030年までに交通事故による死亡者の数を半減させます。交通事故後、すべての人が適切な治療を迅速に受けられるような取り組みをしていきます。
7.すべての人が生殖に関する保険サービスを受けられる
世界では性に関する知識を十分に得られない人がたくさんいます。性や生殖について、また家族を作ることについての知識や最新の情報をすべての人が得られるようにサポートします。性や生殖の問題に悩む人を救う取り組みが求められます。
8.質の高い治療をすべての人が受けられる
病気や怪我をきちんと治療できる環境を整え、治療の内容に貧富の差をなくします。すべての人がワクチンを摂取できる、高品質で安価な薬を入手できるようにします。
9.公害による死亡や疾病を減少させる
人間が生み出した有害物質や大気汚染、水質汚染、土壌汚染は、結果的に人間の死亡や疾病につながります。2030年までに公害による死亡や疾病を大幅に減少させることを目標としています。
すべての人に健康と福祉を与えるためにわたしたちができることは、まずはワクチン募金です。定期的に健康診断を受けて健康な体を維持する、予防接種をする、感染症対策をするなど、自身の健康を守ることも、世界の福祉のサービスを向上するために役立ちます。
健康でいることのありがたみを理解すれば、自ずと健康に生きられない人たちのことも考えられるようになります。