Column
SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)と聞くと、どうしても国際的な活動のように思えてしまいますが、身近なところからも参加できるSDGsがあります。すみちゃんことコピーライターの住田千恵さんが家庭の不用品を寄付できる方法を試してみました。
子どもの進学、進級などで生活が切り替わるこの時期、古い学用品や着られなくなった洋服がたくさん出ますよね。わが家もたまりにたまった娘のブツが家のあちこちを占拠して困っています。でも仕立てのいい冬服などを捨てるのはつらいもの。
ファッション業界って地球に厳しいってご存じでした? なにしろジーンズ1本を作るために約7,500リットルもの水が必要(普通の人が7年かけて飲む水の量!)で、世界で第2位の汚染産業だといわれているんですよ。それなのに簡単にポイッと捨てちゃうのはかなーりもったいない。なんとか役立てられないかなあ。
ということで、手放したいけど捨てるのはイヤというジレンマに応えてくれる、家庭の不用品を寄付できる方法を調べてみました。
子ども用品って、ベビーカーとかチャイルドシートほどの大きさになると捨てるにも粗大ゴミ代がかかります。どうせ課金するなら再利用してもらう費用にしましょう。
ワールドギフトさんは、これまで世界87カ国に支援物資を送り、不用品を役立ててきたエキスパート。モノによる海外支援だけでなく再資源化によって発生する収益を「国境なき医師団」や「交通遺児育英会」などに寄付しています。
world–gift.com
すごいのは寄付できるアイテムの幅広さ。衣類はもちろん、古い学用品やぬいぐるみ、ベビーカー、チャイルドシート、使い残した紙おむつなども扱ってもらえるのは子育て家庭にとって実にありがたい。
梱包に使用済み段ボールなどを使うと、開梱後の廃段ボールは古紙再生業者に販売して現金化し、わずかずつではありますがその売上げ全額を自然保護団体(WWFジャパン)へ寄付いたします
というのですから、徹底しています。雛人形や五月人形、ぬいぐるみは、料金を追加すればリサイクルの前に神社での供養も受けられるそう。ワールドギフトさんによると、
現地に到着した物資は現地で活動する慈善団体などにより、貧困地域、災害地域、児童福祉施設や学校などをはじめ、病院、警察、災害支援ボランティア団体等への寄付や社会支援活動に役立てられます。ごく一部の物資につきましては国内においてチャリティー販売し、収益より子どもたちの命を救うワクチン募金へ充当するほか、途上国の貧困層地域に居住する子どもたちへプレゼント配布するための食品類の購入費にも充てます
とのこと。
いいじゃないですか〜。実はうちには魔窟がありまして。使わなくなった子ども用品がめちゃくそに詰め込まれているのでございます。やっぱり思い入れがあるからゴミとして出すのもしのびないし。
「現在とくに不足」とされている子ども服、ぬいぐるみを中心に、寄付できそうなモノをざっと出してみました。といっても魔窟のごく一部です。かわいい夏物ワンピース。こういうガーリーなのを喜んで着ていた時代もあったのよねえ。でも、世界のどこかでこれに袖を通す子がいると思うと、少しワクワクします。
「ワールドギフト」のポイントは使う段ボール箱によって利用料が変わること。縦cm+横cm+高さcmの3辺の合計が120cmだと2,400円、140cm2,900円、160cm3,700円となります。必ず事前に計測してサイズを把握してくださいね(※金額はいずれも税込)。
料金には宅配送料のほか、途上国に物資を送る際の船賃、各種施設に物資を送る際の送料、荷下ろし、仕分け、コンテナやトラックへの積み込み、コールセンター、ホームページ運営やメール対応にかかる人件費、倉庫費、光熱費など、再利用のための費用がすべて含まれます。そう考えるとお安いかも。
しかし、ちょうど120サイズの段ボールがあったので利用したのですが、ブツに対してこんな感じ(写真)。ぬいぐるみが予想以上にかさばります。もうひとつ上のサイズにすればよかった……。うーん、黒ブタちゃんや冬物は今回は見送りだ。
詰める前にホコリを拭き取り、いちおうアルコール消毒しました。
少し不穏な絵柄だけど、「キレイにしてやんよ!」とか言いながら、やっています。
なんとか詰め込みました。申し込みフォームから必要事項を送信するとメールで振込口座を教えてくれます。入金すると宅配業者さんが集荷に来てくれて、作業完了。ちなみに140サイズ以下なら郵便局、それ以上だと佐川急便です。
少しさびしいけれど、到着後の個別の報告などはとくになし。
弊社では少数のスタッフで日々数百個口の物資受け入れと、同じく百件以上のご依頼やお問い合わせを処理しております関係もあり、誠に恐縮ながら現段階で個別に結果報告を行うことは不可能な状況にございます
と、ワールドギフトさん。
現地での支援の様子は、インスタグラム、フェイスブックで公開しています。気になる人はこちらでチェックしましょう。
ぜひホームページの「再利用できるもの」一覧を見てください。使えるものならほとんど当てはまるのでは?と思えます。できるだけムダを出さずに、徹底的にリユース&リサイクルする姿勢に敬意を覚えます。
料金についても「再利用サービス、募金と運営費(管理費・人件費等)が賄えれば十分と考えております」と良心的。ほとんど手弁当に近いんだろうなぁ。
今回なによりうれしかったのは、ゴミとして捨てづらいランドセルやぬいぐるみが役立てられたこと。靴も対象になるので、次はサイズが合わなくなって放置してある運動靴を送ってみたいと思っています。メールでの対応も非常にていねいでしたよ。
・送れるアイテムの種類がとにかく幅広い!
・ひな人形やぬいぐるみは追加料金で供養も!
・箱詰めすれば、あとはネットで申し込むだけなので簡単!
・希望の日時に集荷してくれる!
・当たり前だけど、スプレー缶などの爆発危険物、生ゴミや賞味期限ギリギリの食品などはNG!
・必ず縦cm+横cm+高さcmの3辺の合計を計測せよ!
・できれば140cmあると家の断捨離もよりはかどる!!
・佐川急便利用だと午後の時間帯が選べてさらに便利!
子ども用品は減らせました。が、今度はコロナ太りで着られなくなった大人の服が気になってきました。次回、かさばる大人の古着でSDGsします!!
【column】まだまだあります!ユニークな送り先
羽毛は食肉用の副産物として水鳥から採取されます。それ自体は再生可能な資源ですが、羽毛を採ることだけを目的とした水鳥の飼育や、生きたまま羽毛を採るケースも珍しくありません。残酷な羽毛採種を減らすためにもリサイクルを。
やり方は簡単。プロジェクトの参加メンバーであるアパレル系ショップにダウン率50%以上の品を持ち込むだけ。ダウンジャケットや羽毛布団、クッションや寝袋なども受け付けています。回収できる製品や方法は店舗ごとに異なるため、事前に確認して。
Green Down Projectとは、使わなくなった羽毛製品を洗浄・精製加工することによって新毛よりもきれいな再生羽毛とし、新たな羽毛製品としてまた消費者の方々へお届けするものです。Green Down Projectでは羽毛再生についての情報を発信しています。
www.gdp.or.jp
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