Column
世界には学校がない、先生がいない、学校へ通うお金がないなどの理由で教育を受けられない子どもがたくさんいます。そんな子どもたちを減らすために提案されたのがSDGs4つ目の項目、「公平に学習の機会を」です。具体的にはどのようなことが問題で、どのようなことができるのかについて見ていきましょう。
世界ではさまざまな理由で学校に通えない、教育を受けられない子どもが5,900万人います。学校の不足だけでなく戦争や紛争に巻き込まれ教育を受ける環境が整っていない、子どもの頃から働かされているなど、問題はたくさんあります。
教育を受けないまま育ち、文字の読み書きができない人は全世界で7億人以上います。SDGsではそんな子どもたちを救い、誰もが平等に教育を受けられる環境を作ることを目指しています。
十分な教育を受ければ、安定した収入を得られる仕事に就くことができます。しかし文字の読み書きもできないようであればまともな仕事にはありつけません。
結果、不安定な仕事、危険な仕事に従事するしかなく、満足な収入を得られず、子どもにも教育を受けさせられないという悪循環が生まれます。また、文字が読めれば防げる危険もたくさんあります。薬の用法用量や注意書きの看板など、文字は膨大な情報を与えています。
子どもたちが十分な教育を受けることで生活の質が向上し、一人一人の人生を豊かにし、ひいては国や世界の発展につながります。
SDGsが掲げている、公平な学習の機会を与えるための目標を7つ紹介します。
1.すべての子どもが公平で質の高い教育を受けられる
2030年までにすべての子どもが初等教育、中等教育を受けられるようにします。男女が区別されることなく、公平に質の高い教育を修了できることを目的としています。
2.初等教育を受ける準備を整える
初等教育を受ける前に幼児のケアや就学前教育も必要です。2030年までに男女ともにすべての子どもが質の高いケア、就学前教育にアクセスできるようにします。
3.技術教育、職業教育へのアクセスを可能にする
技術教育や職業教育を受けることで安定した収入を得られる職業に就けます。このような教育を安価に受けられるようにする、また大学などの高等教育を受けるチャンスも平等に与えられる環境を目指します。
4.スキルの高い若者と成人の数を増やす
技術や職業に対しての高いスキルを持つ若者、成人の数を増やし、雇用の割合を増やします。
5.教育のジェンダー格差をなくす
女性、障がい者、先住民などが教育を受けられないという格差を2030年までになくします。弱い立場でも平等に教育を受けられる世界を目指します。
6.すべての若者が文字の読み書きができる
2030年までにすべての若者が読み書きができるように、また基本的な計算ができるようにします。男女ともに成人の大多数の識字率を上げることも目標にしています。
7.SDGsの精神を教育を通して教える
持続可能な開発、SDGsの精神は世界を豊かにするために欠かせない知識です。すべての人への教育の中でSDGsの精神を教え、次の世代にもこのような精神が受け継がれていくことを目指します。
日本では義務教育の制度が整っていますが、それでもより質の高い教育、学習の機会を得るためにできることはたくさんあります。不登校の生徒は年々増加しており、不登校児を救うためのネットワーク作りを急がなければなりません。
近年ではインターネットの整備が整っていないことも問題になっています。インターネットに触れられない子どもに情報が行き届かない、間違った情報を信じてしまう可能性があるなどです。
インターネットに関する正しい知識を教えることも、質の高い教育につながります。